Biomarker Technologies(BMKGene) / フィルジェン ID: J02102

動植物 de novo ゲノムシークエンス 受託解析サービス ID: J02102

サービスについて

概要

De novo シークエンシングとは、参照ゲノムがない場合において、シークエンシング技術を用いて生物種の全ゲノムを構築することを指します。より長いリードを特徴とする第3世代シークエンシングの導入と普及により、リード間のオーバーラップが増加し、ゲノムアセンブリが大幅に向上しました。この機能強化は、高いヘテロ接合性、高い反復領域比率、倍数体、そして反復エレメント、異常なGC含有量、または高い複雑性を示す領域など、ショートリードシークエンシングのみでは通常アセンブルできない様な困難なゲノムを扱う場合に特に有効です。

本サービスでは、シークエンシングとバイオインフォマティクス解析を統合したワンストップソリューションであり、高品質の de novo アセンブルゲノムを実現します。Illumina による最初のゲノムサーベイでは、ゲノムのサイズと複雑性を推定し、この情報を基に次のステップである PacBio HiFi によるロングリードシークエンシングを実施、その後、コンティグの de novo アセンブルが行われます。続いて、HiC アセンブリを使用することで、コンティグをゲノムに固定し、染色体レベルのアセンブリを取得できます。最後に、ショートリードとロングリードによるトランスクリプトームを利用し、遺伝子予測と発現遺伝子の配列決定によって、ゲノムにアノテーション付けを行います。

特長

  • 複数のシークエンサーおよびバイオインフォマティクスサービスをワンストップソリューションに統合
    ゲノムサイズを推定し、次の工程をガイドするための illumina によるゲノムサーベイ
    コンティグの de novo アセンブリのためのロングリードシークエンシング
    染色体アンカーのための Hi-C シークエンシング
    遺伝子のアノテーション付けのための mRNA シークエンシング
    アセンブリのバリデーション
  • 新規ゲノムの構築または既存の参照ゲノムの改良に適したサービス

豊富な専門知識と実績
1,000種以上のゲノム配列決定における蓄積された経験により、800件以上の論文を発表、累積インパクトファクターは4,000を超えています。
二倍体ゲノム、倍数体および異質倍数体種を含む、多様な生物種の高度に複雑なゲノムのアセンブリにおいて膨大な経験を積んできました。2018年以降、BMKgene 社は200件を超えるインパクトの高い論文出版に貢献し、そのうち15件は、Nature Geneticsに掲載されています。

ワンストップスリューション
複数のシークエンス技術とバイオインフォマティクス解析を一連のワークフローに統合したアプローチにより、高品質なアセンブルゲノムを提供します。

お客様のニーズに合わせたカスタマイズ
本サービスのワークフローはカスタマイズに対応しており、多様な特徴を持つゲノムや特定の研究ニーズに適応可能です。これには、巨大ゲノム、倍数体ゲノム、高度ヘテロ接合性ゲノムなどへの対応が含まれます。

高度なスキルを持つバイオインフォマティクスチーム
複雑なゲノムアセンブリの実験およびバイオインフォマティクスの両分野で豊富な経験を持ち、一連の特許およびソフトウェア著作権を保有しています。

解析完了後のサポート
プロジェクト完了後3ヶ月のアフターサービス期間を設けています。この期間中、プロジェクトのフォローアップ、トラブルシューティングの支援、結果に関する疑問・ご質問にご対応いたします。

サービス内容

ご送付頂いたサンプルを用いて、品質チェック(QCチェック)から次世代シークエンス、バイオインフォマティクス解析まで実施いたします。

【シークエンスパラメーター】
ゲノムサーベイ ゲノムアセンブリ 染色体レベル ゲノムアノテーション
50x Illumina NovaSeq PE150 30x PacBio CCS HiFi reads
または100x Nanopore + 50x Illumina PE150
または100x PacBio CLR + 50x Illumina PE150
100x Hi-C Illumina PE150 (10Gb)+(オプション)PacBio(40Gb)
またはNanopore(12Gb)

*推奨シークエンス深度は、参考値です。
*QCチェックに合格したサンプルは、シークエンス量の保証対象となります。


【データ解析内容】
4ステップからなる完全なバイオインフォマティクス解析
  1. NGSリードを用いたk-mer解析に基づくゲノムサーベイ
    ゲノムサイズの推定、ヘテロ接合性の推定、反復領域の推定
  2. PacBio HiFi リードによるゲノムアゼンブリ: De Novo アセンブリ
    アゼンブリ評価:BUSCO解析によるゲノムの完全性評価、HiFi リードから生成されたドラフトアセンブリへのNGSおよび PacBio HiFi リードのマッピング
  3. Hi-C アセンブリ
    Hi-C ライブラリ QC: 有効な Hi-C 相互作用の推定
    Hi-C アセンブリ: コンティグのグループ化、各グループ内でのコンティグの順序付け、コンティグの方向の割り当て
    Hi-C 評価
  4. ゲノムアノテーション
    ノンコーティングRNA予測
    反復配列の同定(トランスポゾンとタンデムリピート)
    遺伝子予測
    ・De novo: ab intio アルゴリズム
    ・相同性に基づく
    ・トランスクリプトームに基づく(ロングリードとショートリードを含む):リードは、de novo アセンブルされるか、ドラフトゲノムにマッピングされます。
    ・複数のデータベースによる予測遺伝子のアノテーション

【ワークフロー】
Genome Survey → Genome Sequencing → Raw Date QC → Genome Assembly → Hi-C based Corting anchoring →
Genome Annotation → High-quality Genome
*パッケージの解析内容は、業務提携際のパイプラインの変更・更新等により、変更される場合があります。

【作業内容】
  1. サンプル QC チェック
  2. ライブラリー作製
  3. シークエンス作製
  4. バイオインフォマティクス解析

【解析データ例】
1)Genome Survey - k-mer analysis(fig.1
2-1)Genome Assembly(fig.2
2-2)Genome Assembly - PacBio HiFi reads mapping to draft assembly(fig.3
3-1)Hi-C Assembly - estimation of Hi-C valid interaction pairs(fig.4
3-2)Hi-C Post-assembly evaluation(fig.5
4-1)Genome Annotation - integration of predicted genes(fig.6
4-2)Genome annotation - predicted genes annotation(fig.7

納品物

  • サンプル QC レポート
  • FASTQ 形式のシークエンスデータ
  • バイオインフォマティクス解析データ(バイオインフォマティクス解析をお申込み頂いた場合)
  • プロジェクトレポート
*USB等の記録メディアにて納品いたします。
*プロジェクトによって、納品物が変更される場合があります。

サンプル条件

◆Genome Survey, Genome assembly および Hi-C assembly 用サンプル
サンプル種類Genome SurveyGenome Assembly with PacBioHi-C Assembly
動物の内蔵0.5~1g≧3.5g≧2g
動物の筋肉≧5g
哺乳類の血液≧5mL≧2mL
家禽類 / 魚類の血≧0.5mL
植物-新鮮な葉1~2g≧5g≧4g
植物-花びら / 茎≧10g
植物-根 / 種子≧20g
培養細胞≧1x108≧1x107
抽出済 DNA 濃度:≧1ng/μL
量:60ng
劣化やコンタミがないこと
濃度:≧50ng/μL
量:20μg/flow cell
O.D.260/280=1.7-2.2
O.D.260/230=0.8-2.5
劣化やコンタミがないこと

<gDNA サンプル>
  1. DNase, RNase フリーの1.5mLまたは2mL(推奨)のチューブを使用してください。
  2. Nuclease-free water または TE Buffer にて-80℃以下で保存してください。
  3. RNase 処理を行い、DNA が分解されていないことを確認してください。
  4. UV スペクトルベースの濃度測定法では、DNA 濃度が不正確になる場合がありますので、蛍光ベースの定量法でも確認して頂くことを強く推奨します。
    *UV スペクトルベースで測定した場合、上記よりも多いゲノム DNA を準備してください。
  5. サンプル送付先及び注意事項につきましては、「受託解析サービスの流れ」をご参照ください。
  6. サンプルの最終的な品質は、業務提携先でのQCチェックの結果に従います事、予めご了承ください。

<その他組織 / 細胞サンプル>
  1. DNase, RNase フリーの1.5mLまたは2mL(推奨)のチューブを使用してください。
  2. 液体窒素中で保存するか、-80℃以下で保存してください。
  3. サンプル送付先及び注意事項につきましては、「受託解析サービスの流れ」をご参照ください。
  4. サンプルの最終的な品質は、業務提携先での QCチェックの結果に従います事、予めご了承ください。

◆トランスクリプトミクスによる Genome annotation 用サンプル
サンプル種類Illumina TranscriptomePacBio Transcriptome Nanopore Transcriptome
植物-根 / 茎/花びら450mg600mg
植物-葉 / 種子300mg300mg
植物-果実1.2g1.2g
動物の心臓 / 腸300mg300mg
動物の内臓 / 脳240mg240mg
動物の筋肉450mg450mg
動物の骨 / 毛 / 皮膚1g1g
節足動物-昆虫6個体(計3g以上)6個体(計3g以上)
節足動物-甲殻類300mg300mg
全血1tube1tube
抽出済 DNA 濃度:≧20ng/μL
量:1.0μg
O.D.260/280=1.7~2.5
O.D.260/230=0.5~2.5
RIN:≧6
5≧28S/18S≧1
濃度: ≧100 ng/μL 量:1.5μg
O.D.260/280=1.7~2.5
O.D.260/230=0.5~2.5
RIN:≧8
5≧28S/18S≧1
濃度:≧100ng/μL
量:1.2μg
O.D.260/280=1.7~2.5
O.D.260/230=0.5~2.5
RIN:≧7.5
5≧28S/18S≧1

<Total RNA サンプル>
  1. DNase, RNase フリーの1.5mLまたは2mL(推奨)のチューブを使用してください。
  2. Total RNA は、RNase-free H2O に溶解し、-80℃以下で保存してください。
  3. DNase 処理を行うことを強く推奨します。
  4. サンプル送付先及び注意事項につきましては、「受託解析サービスの流れ」をご参照ください。
  5. サンプルの最終的な品質は、業務提携先での QCチェックの結果に従います事、予めご了承ください。
<その他組織 / 細胞サンプル>
  1. DNase, RNase フリーの1.5mLまたは2mL(推奨)のチューブを使用してください。
  2. 液体窒素中で保存するか、-80℃以下で保存してください。
  3. サンプル送付先及び注意事項につきましては、「受託解析サービスの流れ」をご参照ください。
  4. サンプルの最終的な品質は、業務提携先での QCチェックの結果に従います事、予めご了承ください。

ご注文に関して

お問い合わせフォーム よりお問い合わせください。

参考価格・納期

サービス項目 データ量 サンプル数 価格(税抜)(*1) 納期(*2)
動植物 de novo ゲノムシークエンス受託解析サービス お問い合わせ 1サンプル以上 お問い合わせ 約5ヶ月

*1 海外へのサンプル輸送費用および HDD/USB 費用が別途必要です。
*2 納期は、QCチェック合格後となります。
  年末年始、夏季休業、祝日、受注の集中状況等により、上記より日数を頂く場合がございますこと、予めご了承ください。
* DNBSEQ-T7、Nanopore をご希望の場合には、別途お問合せください。

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