ナノディスペンシングによるシングルセル自動調製システム
ICELL8® cx Single-Cell System
シングルセル解析は、1細胞レベルでゲノム配列決定やRNA解析を行うことで、細胞集団の平均的な解析ではなく個々の細胞の変化を動的に追い、システマチックに理解することが可能になる解析手法です。
ICELL8® cx Single-Cell Systemでは、わずか4センチ四方のICELL8チップ上に配置された5,184個の微小なウェルに数10ナノリットルスケールの精密な分注を行い、一枚のICELL8Chip上で1,200~1,500個程度のシングルセルを取得します。
ICELL8 Chipへの細胞分注後、システム本体に内蔵された顕微鏡により全5,184ウェルの画像を取得します。核を染色するHoechst(青色蛍光)と死細胞を染色するPI(Propidium Iodide、赤色蛍光)を用いて細胞を予め染色しておくことで、専用のCellSelectソフトウェアにより画像を解析し、生きたシングルセルを含むウェルのみを自動判別します。
選択したウェルのみにRT試薬を分注し、後の反応に進むことができるため、シングルセル解析で問題となるダブレットや空ウェル、死細胞を、シーケンスを行う前に解析から排除することができます。
- 5,184個のウェルに細胞を分注し、1,200~1,500個程度の細胞をシングルセル化
- 5~100μmの幅広い細胞サイズに対応。シングルセル化効率は細胞サイズに依存しない
- 専用ソフトウェアを用いた画像解析により「生きたシングルセル」のみを確実に選択し、解析に使用
- 最大8種類の細胞サンプルを1枚のICELL8Chip上で一度に解析可能
- 解析したい細胞のみを選択できるため、シングルセル解析で問題となるNGS解析コストを抑えることが可能
ICELL8システムを用いた解析フロー例(3’ DE解析の場合)
細胞調整 → ICELL8 Chipへ細胞を分注 → イメージング・ウェルの選択 → 選択したウェルのみにRT反応試薬を分注 → cDNAを合成 → cDNAを回収・精製・増幅 → ライブラリー作製 → 高速シーケンス