概要
試料の抗酸化活性を総量として定量化する受託サービスです。
抗酸化成分については従来、保存性付加の点で添加剤としての側面が着目されていましたが、近年では農産物に元来含まれている成分が、生活習慣病の予防のためにどのように機能するかという側面にも注目が集まっています。
* ORAC法:
Oxygen
Radical
Absorbance
Capacity Assay
測定対象
- 野菜、果物
- 畜産物
- 魚介類
- 加工食品
- 原料粉末、乾燥品
- 血清、血漿などの生体試料
ラジカル供給物質(AAPH)と蛍光物質(フルオレセイン)を混合すると、AAPHがもたらすペルオキシラジカルにより、蛍光を発するのに必要な蛍光物質中の環状構造が酸化開裂を受けます。これにより蛍光強度は時間と共に減少していきます。ここに、ペルオキシラジカルに対する抗酸化作用を持つ被験物質(ポリフェノールなど、自らが代わりに酸化を受ける物質)を加えると、蛍光物質の酸化速度が遅くなり、蛍光の減少速度が遅延します。蛍光強度低下の経時変化を時間軸で表示し、これを積分した値をもって被験物質による抗酸化力の指標とするのがORAC(FL)法です。
ORAC値(抗酸化値)の算出方法
- 試料または標準物質(Trolox)存在下での蛍光強度の曲線下面積(AUC:Area Under the Curve)と、非存在下(ブランク)でのAUCとの差(Net AUC)を求める。
- 試料のNet AUCについて、濃度既知の標準物質のNet AUCに対する相対値を算出する。
- その相対値を基にTrolox濃度に換算し、試料の抗酸化力とする。
応用例
- 添加剤の評価
- 保存検証
- 加工プロセスにおける変化
- 収穫、捕獲時期における比較
- 農水畜産物の品種間における比較
解析例
- 100倍希釈した各試料の測定結果(蛍光強度の減衰曲線)(fig.3)
- 各試料のORAC値(μmol TE/100mL)(fig.4)