特長
- 組織、FFPE、培養細胞、血液、血漿など臨床検体含む様々な検体からの核酸抽出・精製
- 使用目的に応じた核酸品質で抽出・精製
- microRNA解析に適したsmall RNAを含むtotal RNAの抽出にも対応
- ゲノムDNAだけではなくcfDNAなどの抽出も可能
概要
次世代シーケンス解析やDNAマイクロアレイ解析には、高品質な核酸が要求されます。分解の生じている核酸や不純物が残存した核酸の溶液は、酵素反応効率の低下や正確な核酸定量が妨げられ、結果として精度の高い解析を行うことができません。タカラバイオでは長年培った核酸抽出技術にもとづき、検体に応じた最適な核酸抽出方法により、培養細胞や臨床検体、FFPE(ホルマリン固定パラフィン包埋)組織切片などの各種組織から核酸抽出・精製作業を承ります。
* 基本的には抽出のみの受託は行っていません。NGS、アレイ解析と一緒にご依頼ただく場合のみ、対応しております。
サービス内容
培養細胞、各種組織、血液やFFPE組織切片などの臨床検体、原核生物、植物等からの核酸抽出をお受けします。有機溶媒や核酸精製カラムなどを利用して、高品質な核酸を抽出・精製いたします。検体種類や利用目的に応じて抽出方法や精製方法を変えることによって、効率的に核酸抽出を行います。抽出・精製を行った核酸は分光光度計やアジレント2100バイオアナライザ等、その後の各種アプリケーションの受託解析に応じた品質チェックを行いご報告いたします。
microRNAなどのsmall RNAの解析にはsmall RNA画分を含むtotal RNAの抽出も可能です。
なお、血液等からの核酸抽出については、衛生検査所登録設備内にて、適切な体制および手順書を整え対応しております。
[臨床検体からの核酸抽出の流れ](
fig.1)
ゲノムDNAの品質検定内容:
- 吸光度測定
- Qubit等による二本鎖DNA定量
- 電気泳動
* 品質検定内容は、解析の種類によって変更となることがございます。
Total RNAの品質検定内容:
- 吸光度測定
- 電気泳動(アジレント社 バイオアナライザ、もしくはTapestation)
* 品質検定内容は、解析の種類によって変更となることがございます。
納品物
- 作業報告書(電気泳動写真・吸光度測定値・二本鎖DNA定量値などの品質確認作業結果を含む)
- 核酸
* 抽出した核酸は、その後の各種アプリケーションの解析サービスに使用いただけます。
解析後の残余サンプルの納品をご希望の場合は別途ご連絡ください。
受入サンプル
品質チェックの結果でタカラバイオの条件を満たさない場合、改めてサンプルの送付をお願いする場合があります。
培養細胞、各種組織、血液やFFPE組織切片、原核生物、植物など
・検体送付時には細胞や組織の凍結状態を必ず維持してください。
・最適な抽出方法を採用できるよう、細胞数、組織の種類や量を解析依頼書にご記入ください。
・サンプリングする部位によって解析結果が異なることを回避するため、組織の場合には目的の部位のみをお送りください。
特定の部位の摘出はお受けできません。
[ゲノムDNA抽出用サンプル]
サンプル |
必要量 |
送付形態 |
組織 |
3~5ミリ角片で100mg程度 |
凍結組織 / 1.5または2mLマイクロチューブ |
培養細胞 |
1×106cells以上 |
凍結細胞ペレット / 1.5mLマイクロチューブ |
血液 |
1~2mL |
抗凝固剤(EDTA/2NaもしくはEDTA/2K)採血管 |
血漿 |
5mL以上 |
抗凝固剤(EDTA/2K)採血管 |
菌体ペレット |
40mg/本を2本分程度 |
凍結菌体ペレット/1.5mLマイクロチューブ |
・組織量や細胞数が少ない場合は別途ご相談ください。
(アプリケーションによっては抽出核酸量が少なくても微量増幅が可能な場合がございます)
・細胞の場合は、細胞ペレットをPBSで洗浄して遠心分離により上清を完全に除去した後、
細胞ペレットを液体窒素・ドライアイスなどですばやく凍結させてください。
・組織の場合は採取後、組織重量を測定し、液体窒素・ドライアイスなどですばやく凍結させてください。
3~5ミリ角片の大きさで規定量をご準備ください。大きな組織片からの抽出はお受けできません。
・血液の場合は、抗凝固剤(EDTA-2NaもしくはEDTA-2K)入りを用いて採血後、4℃で保管、-80℃で凍結させてください。
・血漿の場合(cfDNA抽出用)は、抗凝固剤(EDTA-2K)入りを用いて採血後、2時間以内に血漿分離し4℃で保管、-80℃で凍結させてください。
[RNA抽出用サンプル]
サンプル |
必要量 |
送付形態 |
組織 |
3~5ミリ角片で100mg程度 |
凍結組織 / 1.5または2mLマイクロチューブ |
培養細胞 |
1×106cells以上 |
凍結細胞ペレット / 1.5mLマイクロチューブ |
血液 |
2.5mL |
凍結血液 |
血清・血漿 |
1mL以上 |
1.5または2mLマイクロチューブ |
・組織量や細胞数が少ない場合は別途ご相談ください。
(アプリケーションによっては抽出核酸量が少なくても微量増幅が可能な場合があります)
・細胞の場合は、細胞ペレットをPBSで洗浄して遠心分離により上清を完全に除去した後、
直ちに細胞ペレットを液体窒素により瞬間凍結させて、-80℃で凍結保存してください。
培養細胞にRNA
laterを使用しますと、RNA抽出量が低下することがあります。
・組織の場合は摘出した組織を直ちに液体窒素により瞬間凍結させて-80℃で凍結保存してください。
液体窒素による瞬間凍結が困難な場合には、RNA
later試薬に浸漬してください。
組織サンプルの10倍量のRNA
later試薬を添加します(組織 1mgに対して約10μL)。
・大きな組織片は、瞬間凍結やRNA
later試薬やの浸透が困難になり、保存時にRNAの分解が生じたり、
その後の抽出作業が妨げられますので、添加前に0.5cm以下の厚さの組織片に速やかにカットした後に
瞬間凍結またはRNA
laterに浸漬してください。大きな組織片からの抽出はお受けできません。